ついに、処方されたED治療薬を服用する時がきた。
初めての服用ということもあり、少し緊張しながら、水と一緒にゆっくりと錠剤を飲み込む。副作用が出たらどうしよう、思ったように効かなかったら……という不安も頭をよぎったが、それでも「試してみよう」と決めた以上、じっと自分の身体の変化に意識を向けた。
服用からおよそ40分ほど経った頃だろうか。何となく、下腹部あたりにじんわりとした感覚が訪れた。「あれ? なんか違うな」と思えるほどの変化。次第に、その感覚が特定の部分へと集中していくのが分かった。
この薬の特徴は、自然な流れの中で作用するということだ。
つまり、ただ薬を飲んだからといって、勝手に反応してしまうわけではない。エッチなことを考えたり、視覚や触覚で刺激を受けたときにだけ、効果が表れる。逆に、何も考えていないときや、ちょっと休憩しようというときには、驚くほど自然に治まっている。そのコントロールの利き方に、まず驚いた。
あくまでも、血流を特定の場所に促すという仕組み。
無理やりではなく、あくまで“きっかけ”を与えたときに、力強く応える。そこがとても自然で好印象だった。
ひとことで言うなら――凄い、の一言に尽きる。
まるで10代や20代の頃に戻ったかのような、あの“ビンビン感”がそこにあった。
あの頃は、何もしなくても反応していた。自信があった。でも、30代に入ってからは、忙しさやストレスのせいもあるのか、あの感覚がだんだんと遠のいていた気がする。
今回、それが一気に蘇った。
硬さといい、触れたときのビクッとくる感覚といい、「ああ、自分ってこんなに元気だったっけ?」と思わず昔を思い出した。
それと同時に、「やっぱり、少しずつ衰えていたんだな」と実感もした。
年齢とともに起こる変化を、頭では理解していたつもりだったが、こうして明確な違いを体感すると、なかなか衝撃的だった。
薬の効き目は、説明では「5~6時間ほど」と聞いていたが、実際にはそれよりも長く、反応の良さはさらに数時間以上続いた。もちろん、ずっと“立ちっぱなし”ということではない。先述の通り、刺激があったときだけ反応するので、生活に支障が出るようなことはまったくない。むしろ、「その時だけ力を貸してくれる頼もしい相棒」といった印象だ。
今回は初回ということもあり、慎重に服用したが、この効果を体験できたことで、自分の中にあった恥ずかしさや不安はかなり和らいだ。「こういう手段を取るのは恥ずかしいことではない」と、今は素直に思っている。