遠隔診療が終わり、医師から処方の提案があった。
最初に提示されたのは「お試し3点セット」。それぞれ成分や強さの異なるED治療薬が入っているセットで、いろいろ試せるという内容だった。確かに便利ではある。でも、内容をよく見ると、効き目がかなり強そうな薬も含まれていて、正直、少し怖くなった。何しろ、こういった薬を使うのは今回が初めてだ。
いきなり強いものを試すのは気が進まない。副作用も不安だし、自分に合わなかったらどうしようという思いもある。
結局、医師に相談し、「まずは一番弱めのタイプを3錠だけください」と希望を伝えた。こちらの不安を話すと、医師は無理に勧めてくるようなこともなく、すんなりと納得してくれた。それもまた安心できたポイントだった。
ただ、薬を注文したあとも、頭の中にはいくつかの不安が残った。先払いであるため、
「本当に届くのだろうか?」
「詐欺じゃないのか?」
「ちゃんとした正規の薬なんだろうか?」
これまで医薬品をネットで買ったこともなければ、処方薬を郵送してもらうのも初めての経験だったので、不安になって当然だった。
配送方法は「ゆうパケット」とのこと。
郵便物の品目には「医薬品」とだけ記載されるが、具体的な薬の名前は書かれないとネットに記載があり、それには少しホッとした。
送り主の名前も病院名やクリニック名ではなく、個人名や一般的な名称になっているため、家族や同居人に見られても気づかれる心配は少ない。
さらに、家族に内緒で受け取りたい場合は、郵便局留めにする方法も記載されていた。
自分の正しい住所の最後に「●●郵便局留め」と記載しておけば、自宅に配送されることはなく、指定の郵便局で自分自身が受け取れるという仕組みだ。自分も今回はこの方法を選んだ。念のため、病院側からの発送通知が届いてから2日後、最寄りの郵便局に取りに行った。
そして、いよいよ受け取り。
封筒はごく普通のパッケージで、見た目からは中身が医薬品とはわからない。開封して中身を確認すると、注文した通り、弱めのタイプのED治療薬が3錠、丁寧に包装されて入っていた。
変なニオイや怪しい印字などもなく、見た目は薬局で渡されるものとほとんど変わらなかった。
実際に手元に届いたことで、不安はかなり解消された。
きちんとした流れで処方され、正規のルートで届けられる。これなら、また必要なときに安心して利用できそうだと感じた。
まだ薬は服用していないが、こうして一歩を踏み出したことだけでも、大きな意味がある。今の自分にとって、何よりも必要だったのは「行動してみること」だったのかもしれない。